現在、SNSの普及により、SNSアカウントを持っていない人はごくわずかと言えるほど、その利用は一般的となっています。
特に若年層ほど、SNSの利用が盛んであり、SNSを活用した採用活動を取り組んでいる企業が増えてきました。無駄なコストを掛けずに、高いポテンシャルを持つ候補者に直接接触することができるソーシャルリクルーティング。
時代の変化に伴って、採用も新しい手段を取り入れることが重要です。
今回は、ソーシャルリクルーティングについて詳しく解説しますので、採用担当の方はぜひ参考にしてみてください。
ソーシャルリクルーティングとは？
「ソーシャルリクルーティング」とは、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどの人気の高いSNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）を利用した採用方法のことです。
平成29年度の総務省の発表によると、就職活動が活発な日本の20代のSNS利用率はほぼ100%。
30代でも85％を超えており、若手から中堅層の採用を目指す企業にとって、採用ターゲットへのアプローチを可能にする採用手法です。
求職者にとって身近なツールだからこそ、企業にとっても大きな採用コストをかけることなく取り組むことができます。
転職サイトのテンプレと化したフォーマットや、人材紹介を通してではなく、企業そのままの雰囲気・様子を直接伝えることで、求職潜在層に親しみを持ってもらえることがソーシャルリクルーティングの鍵です。
ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い
ダイレクトリクルートは、企業や採用担当者がセクションとなるセクションに直接アプローチし、求人情報を提供する採用戦略です。ダイレクトリクルートは、プラットフォームイベントや業界カンファレンス、紹介やリファーラルプログラムなどを通して行われることが多いです。
SNSを活用して人材にアプローチするソーシャルリクルーティングは、ダイレクトリクルーティングのように、直接採用者に働きかけることもあるため、ダイレクトリクルーティングの一部であるともいえるでしょう。
SNSの種類と特徴
SNSといっても、さまざまな種類があります。
ここでは、ソーシャルリクルーティングで活用されることの多い4つのSNSと、それぞれの特徴について紹介します。
Twitterは短文メッセージを投稿することができるSNSで、リアルタイムで情報を共有することができます。
「ツイート」の気軽さと「リツイート」の高い拡散性が特徴で、10代20代の若年層から特に高い人気を誇るSNSです。企業のアカウントも多く存在し、中にはトレンドを牽引するほどの人気企業アカウントもあります。
若年ユーザーの多さと投稿から人柄を把握しやすい点はTwitterをソーシャルリクルーティングに活用するメリットとなるでしょう。
企業に対して親近感を持たれる、採用者の「人格」が見えるツイートをするのがポイントです。
Instagramは、10代〜30代がメインの利用者層で、文章ではなく、画像の投稿がメインのSNSです。
画像やハッシュタグから検索している人が多く、明るいオフィスの風景、働く社員の活き活きした様子などを投稿できると、企業イメージがアップします。
画像や、短尺動画を用いて、企業の魅力を視覚的にアプローチできるので、企業の様子をイメージしやすく、人材をとり込みやすいでしょう。
YouTube
YouTubeは動画・音楽を投稿する動画共有サービスです。
事前に録画・編集した動画を投稿するほか、配信者と視聴者がリアルタイムで交流するライブ配信も可能です。動画の制限時間もなく、文章・画像のみでは伝わりにくい情報を発信することができます。
動画作成にはコストや時間がかかりますが、一度作成したものは「会社説明動画」として繰り返し使用できるメリットもあります。
Facebookは、20代～50代がメインの利用者層で、主にビジネスの人脈を広げたり、交流をはかったりするために活用する人が多いSNSです。
ほかのSNSと異なり、実名登録が必須で、年齢や職業、学歴などの詳しいプロフィールが確認することができます。
Facebookグループや広告を活用して、特定の地域や業界の人材を差別化することもできます。
ソーシャルリクルーティングのメリット
さまざまなSNSを活用しておこなえるソーシャルリクルーティングですが、どのようなメリットがあり、とりくむ企業が増えているのでしょうか。
ソーシャルリクルーティングのメリットをいくつか挙げていきます。
人柄や自社との相性を確認できる
ソーシャルリクルーティングでは、SNSプロフィールや投稿を通じて、その人柄や価値観を事前に把握することができます。
そのため履歴書や職務経歴書よりも本人の人柄を把握することが可能です。
投稿内容によっては、ポテンシャルや自社との相性を読み取ることもできるでしょう。
また、投稿内容だけでなく、SNSでの事前のコミュニケーションを通じて、自社との相性を確認することができる場合もあります。
採用コストの節約
求人広告を出す、また人材紹介窓口を介して採用することによって、コストは少なくとも数十万円から数百万円ほどかかります。
それに比べ、SNSは運用のコストこそかかりますが、多くのSNSの使用料は基本的に無料です。
従来の方法にかかるコストを削減し、ソーシャルリクルーティングを重視することで、コスト効率を向上させることができます。
そのため、従来の方法にかかるコストを削減し、ソーシャルリクルーティングを重視することで、コスト効率を向上させることができます。
さらに、従来の方法とソーシャルリクマッチを同時に実施することで、より効果的な採用戦略を展開することが可能です。
企業の情報を広められる
企業情報を積極的に発信することで、求職者が目にする機会を増やすことができます。
適切な内容を発信すれば、多くの人に共有され、予想外の数に企業情報が届くことで、企業の知名度が向上し、応募者数も増加することが期待できます。
さらに、事業内容やビジョン・価値観など、企業固有の情報を多様な可能性から伝えることで、競合他社との差別化を争うことができます。
採用ターゲットとの接点を増やせる
投稿へのリアクションやシェアによって、情報が拡散されることもSNSの特長です。
この拡散メカニズムによって、多くの人と接触する機会が生まれ、求職者との出会いの可能性を高めることがソーシャルリクルーティング選択の利点と言えます。
ミスマッチの低減が期待できる
求職者の発信内容から、その人の性格や特徴、重視する価値観などを把握することができ、採用時のミスマッチを回避できます。
さらに、興味を持った候補者と直接コミュニケーションを取ることで、その人の性格や特性をより深く理解することが可能です。このようなコミュニケーションを活用し、企業と候補者の相性を評価することで、両者にとってミスマッチの少ない採用プロセスを実現することができます。
ソーシャルリクルーティングの注意点
コスト削減やミスマッチの減少などのメリットがあるソーシャルリクルーティングですが、デメリットもあることを認識しておきましょう。
ソーシャルリクルーティングを使用する際の注意点を説明します。
炎上の可能性がある
発信内容によっては、炎上のリスクがあるため、運用には細心の注意が必要です。
不適切な内容が拡散されると、企業の評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
企業寄りの発言でないか、誰かを無視したり傷つけたりするような発言をしていないかを、投稿前に慎重にチェックしましょう。
企業アカウントではなく、従業員個人のSNSアカウントを使用している場合、「発言内容は所属組織とは無関係です」などの免責事項を記載することも大切です。
SNSの拡散力によって、一つの投稿で企業イメージが大きく変わることもあるため、十分な注意を払って運用しましょう。
定期的な情報更新が必要
求職者が企業アカウントを発見したとき、古い情報しか提供していなかったら、貴重な出会いのチャンスを最大限に活用できません。 すでにフォロワーである求職者に対しても、関心を持ち続けてもらうためには、定期的に更新し、新鮮な情報を提供することが必要です。また、ソーシャルリクルーティングが効果を発揮するまでには、一定の期間が必要となります。
ソーシャルリクルーティングを運用するための重要ポイント
ソーシャルリクルーティングを成功させるためには、戦略的にSNSメディアプラットフォームを活用することが必要です。
以下は、ソーシャルを通じた採用を効果的に運用するための主要なポイントです。
ターゲットオーディエンスの明確化
採用対象とする候補者がどのソーシャルメディアを利用しているのか、そのプラットフォームに焦点を当てます。若年層を対象にする場合はInstagramやTikTokを活用するのが効果的です。
ブランディングの強化
企業のブランドイメージを一貫して見極め、求職者に対して魅力的なメッセージを伝えるためのコンテンツを計画的に投稿します。宣伝する内容を先に出すことが重要です。
対話型コンテンツの活用
定期的にライブセッションやQ&Aを行い、途中での対話求職者と直接コミュニケーションを取ります。これにより、企業への関心を守り、採用プロセスにおける透明性を高めることができます。
効果的なハッシュタグの使い方
正しいハッシュタグを使って求職者が興味を持ちそうなコンテンツをタグ付けすることで、より広い範囲のオーディエンスにリーチします。
例えば、#キャリア開発、#新卒採用、#テック採用など、ターゲットに合わせたハッシュタグを活用すると良いでしょう。
データドリブンなアプローチの採用
キャンペーンのパフォーマンスを定期的に分析し、どの戦略がうまくいくか、または改善が必要かどうかを把握します。
アナリティクスツールを使用して、投稿のリーチ、魅力的、応募数などのKPIを追跡し、必要に応じて戦略を調整します。
これらのポイントを実践することで、ソーシャルメディアを通じた採用活動がより戦略的かつ効果的になり、適切な人材を確実に獲得できるようになります。
ソーシャルリクルーティングを成功に導くコツ
ソーシャルリクルーティングは、採用市場において非常に重要な戦略となっています。
企業が求職者と直接に交流し、有益な関係を築くことができるため、採用活動を根本から見直します。以下、SNSを活用して採用活動を成功に導くための戦略を紹介します。
透明性を持ったコミュニケーションを心掛ける
企業が自らの使命感、価値観、そして職場環境を率直かつオープンに共有することは、求職者が自分に合った職場かどうかを判断することに役立ちます。
透明性は信頼を築く基盤となり、求職者にとって魅力的な職場のイメージを構築します。
たとえば、新しいプロジェクトの成功や、社内で行われているイノベーションに関する話題を積極的に共有することができ、興味を惹くポイントになります。
魅力を引き出すインタラクティブなコンテンツを利用する
SNSの特性を活かして、求職者が積極的に参加できるコンテンツを提供します。
例えば、ライブストリーミングでのQ&Aセッションを定期的に開催し、求職者からの質問に答えて回答することなど効果的です。
これにより、求職者は企業がじっくりしている実際の課題や人材像についてより深く理解することができます。
従業員の声を積極的にフィーチャーする
従業員それぞれの声や日常をフィーチャーすることで、企業の人間味と職場のリアルな雰囲気を伝えることができます。 特に、移行やプロジェクトへの参加初期の経験談は、新しい環境への適応過程を具体的に示すため、求職者にとって参考になります。
PDCAサイクルを正しく回す
どのSNSチャンネルが最も多くの応募を引き出しているのか、またはどのタイプの投稿が最も参加しているのかなど、具体的この継続評価と改善は、採用活動の成功を確実なものにします。
これらの詳細な戦略、ソーシャルリクルーティングは企業と求職者双方にとって有益な関係を築くための強力なツールになります。
結果として、より正しい人材を効率的に採用することが可能となり、企業の成長と発展を支える基盤を強化します。
採用活動にソーシャルリクルーティングを活用しよう
SNSは基本的に無料でアクセスできるため、ソーシャルリクランキングは簡単に開始できる採用方法です。
企業ホームページや、就活サイトでは伝えきれない企業の内部や大切にしているビジョン・価値観などを伝えることが可能です。
ただし、ソーシャルリクルーティングは、一歩間違えると炎上のリスクが伴います。
そのため目的の明確化やルール作成が必要不可欠。また即効性も期待できません。
ある程度の手間と時間がかかることを理解したうえで、継続的に取り組むことが求められる採用手法ではありますが、自社に興味を持つ求職者や潜在的な採用ターゲットとのつながりを広げていくことはゆくゆく大きな財産となるはずです。
企業の規模や知名度関わらず取り組める、SNSを活用した採用活動に挑戦することをおすすめします。
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